【開催レポート】9月22日「バッハづくしVol.2」

2016年10月22日土曜日



2016年9月22日、東京築地の浜離宮朝日ホール小ホールにて、「バッハづくしVol.2」が開催されました。

簡単にその様子をお伝えいたします。




■第1講座







「バッハづくしVol.2」の封切となった第1講座は、江口玲先生の講座。

世界でピアニストとして活躍しつつ、後進の指導もなさっている先生のお話は、とても興味を惹かれるものでした。




「バッハが音楽の原点」とよく言われますが、江口先生は新たな視点をお話しくださいました。

「ショパンの時代に今のピアノはほぼ完成されたもの。そのピアノで弾くバッハなのだから、今のピアノの原点になる時代に書かれたショパンがしっかり弾ければ、バッハも表現できるはず」と。


















バッハの音楽は「平坦に無味乾燥で。表現してはいけない。淡々と。」などと感じていらっしゃる方も多くいらっしゃるかもしれません。

ですが、今のこれだけ表現できるピアノで、バッハも表現していいのではないでしょうか?





バッハを生徒に教えるには、先生側がその面白さをわかっている必要があります。

そこで、江口先生はバッハの意外と知られていない面白さをご紹介くださいました。

・バッハにはたくさんの子供がいて、その中でたくさんの曲を書いていた。

・バッハは実は乱暴者で、道端でけんかをすることもよくあった。

・バッハはカツラをかぶっていたが、カツラを脱ぐとその辺にいそうなおじさん。

などなど...。




















バッハの曲そのものの面白さについてもお話しくださいました。

例えば平均律クラヴィーア曲集第1巻のCis-dur。












画像の赤、黄色、緑に丸つけたところを、この色の順番に見ていくと...。

あの有名な「カエルの歌」が浮き上がってくるのがわかるでしょうか?

カエルの歌はもともとドイツの民謡でした。バッハが知っていたと考えてもおかしくありません。





他にもたくさんの面白いお話をしてくださいました。

参加した先生方も、「へ~!」「おもしろい!」「すごい~」などとおっしゃっていました。






■第2講座









第2講座の講師をつとめられたのは、鍵盤ハーモニカの第一人者である松田昌先生。

お昼ご飯あとで眠くなる時間でしたが、松田先生の鍵盤ハーモニカを吹きながらのご登場に、会場の皆さんは途端に笑顔に!

パッと明るい雰囲気になったところで、第2講座、スタートです!



最初は吹き方の基礎から。

強弱の変化やタンギングなど、鍵盤ハーモニカの表現の奥深さに、みなさん興味津々のご様子。



続いて、ハ長調と変ロ長調のインベンション2曲を題材に学んでいきます。

モチーフ、構成、タンギングという3つの観点からインベンションを紐解き、松田先生が1年かけて(!)考えられたという歌詞で、2声のアンサンブルを楽しみます。

モチーフそれぞれに歌詞をつけると、曲中でモチーフがどれだけ使われているか体感することができるのです。

















どんな構造かわかったら、いよいよ鍵盤ハーモニカを使ってのアンサンブル。
























先生の模範演奏の後、約300人でのアンサンブル、圧巻でした!







インベンションをピアノで弾く際には、一人で2声を上手に扱わなくてはなりません。

2声をまるで会話しているかのように演奏することはとても難しく、苦戦する生徒さんも多いでしょう。

もしかしたら、バッハに対して苦手意識を持ってしまっている生徒さんもいるかもしれません。

ですが、松田先生の講座では、そんな意識など吹き飛ばしてしまうほどに楽しくインベンションを学ぶことができました。

普段のレッスンでも取り入れて、楽しくバッハを学べるといいですね。






■第3講座







最後は大塚直哉先生。2年前のバッハづくしにもご登壇いただきましたが、今回も興味深いお話をしてくださいました。



今回のテーマは「舞曲」。舞曲が多いバロックの音楽ですが、種類も多く、実際どのような踊りなのかわからず、結局どう弾いたらわからない、という現象に陥りがち。大塚先生は、「バロックの舞曲を知ることで、答えではないが、ピアノで弾く「ヒント」は得ることができる」といいます。










舞曲は踊るために作られた曲ももちろんありますが、中には「様式化」された舞曲も数多くあります。それらの曲で踊ろうとしても、実際の舞曲とは違うのでうまく踊ることができません。

それぞれの舞曲の「スタイル」を理解しつつ、それぞれの曲を表現したいですね。
















実際に舞曲のステップを簡単に見せていただきました。

強拍と言われる部分が足を伸ばす「エルヴェ」、その前の準備の拍が足をまげる「プリエ」といいます。プリエの準備は、きれいにエルヴェを飛ぶための準備なのです。

「動きや呼吸をわかって弾くと、必ず音に出る」と大塚先生。「トリルは何個入れる」など、頭だけでわかっているバッハは面白い演奏になりません。













その後、様々な楽曲を用いて、チェンバロで演奏しながら解説してくださいました。

バッハを勉強するには、バッハ以前の作曲家の組曲を知るとよいそうです。様々に勉強するといろんなヒントを得ることができそうですね。







充実した1日で、参加した先生方からは「参加してよかった!!」と感激の言葉がたくさん!

「難しい」とおもわれがちなバッハを「楽しく」勉強できた1日でした。





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